【実録】熊本で起きた相続トラブル事例|司法書士に相談して円満解決した家族の記録

【実録】熊本で起きた相続トラブル事例|司法書士に相談して円満解決した家族の記録

はじめに|相続は「争族」になりやすい

「うちは財産が少ないから相続で揉めることはないだろう」
「兄弟仲が良いから遺産の話もスムーズに進むはず」

そう思っていた方が、実際に相続を迎えた際、予想もしないトラブルに巻き込まれる——これは熊本県内でも決して珍しいことではありません。

相続問題は「お金の問題」であると同時に、「感情の問題」でもあります。金額の多寡にかかわらず、過去のわだかまりや価値観の違いが表面化しやすいテーマです。

今回は、熊本市内で実際にあった相続トラブルの事例をもとに、司法書士がどのように介入し、円満解決へ導いたのかを詳しくご紹介します。実名は伏せていますが、内容は実際の相談事例に基づいて再構成しています。地域の実情も踏まえてお読みいただければ幸いです。

【第1章】父が遺したのは「実家と畑」だけのはずだった

相談者は熊本市東区在住の60代男性・Aさん。父が亡くなったのは2022年秋。長年、健在だった父親が突然倒れて他界。悲しみに暮れる暇もなく、相続手続きに向き合うこととなりました。

相続人は3人の兄妹

  • 長男:Aさん(熊本市在住、定年退職間近)
  • 長女:Bさん(福岡県在住、既婚・子なし)
  • 次男:Cさん(熊本市外、疎遠)

Aさんは、長男として父の介護や病院への付き添い、生活支援などを一手に担ってきました。一方、次男Cさんは10年以上前に県外へ出て連絡もほとんど取らない状態。長女Bさんも遠方で介護にはほとんど関与していませんでした。

遺言書はなし、財産は不動産とわずかな預貯金

父の遺産は以下の通り。

  • 熊本市東区の実家(土地建物:約2,000万円相当)
  • 熊本市郊外にある農地(固定資産税評価額ベースで200万円)
  • 預貯金:約300万円
  • 自動車・家財道具など少額の動産

Aさんは「当然、自分が実家に住み続ける」と思っていたものの、相続人は3人。財産は全員に法定相続分があるため、協議が必要でした。

【第2章】兄妹の話し合いは一瞬で決裂

葬儀の後、実家で初めて相続に関する話し合いを兄妹3人で行いました。しかし、会話は開始10分で雲行きが怪しくなります。

長女Bさんの主張

私たちにも三分の一ずつの権利があるのよね?実家は売って、現金で三等分しましょうよ

次男Cさんの主張

俺には関係ないけど、ちゃんと取り分はもらうつもり。兄貴が住むなら代償金払ってもらうべきだろ

Aさんの主張

俺が介護してたんだ。全部自分が相続して当然。代償金なんて払えない。実家売るなんてとんでもない

感情の対立が激化

「私だって毎年お歳暮くらい送ってたわよ」
「お前は家を出て好き勝手やってただろうが」
「介護は長男だから当たり前でしょ?」

いつの間にか、相続というテーマを越えて、兄妹間の感情のぶつかり合いへと発展していきました。結果、何の合意も得られないまま、協議は決裂。兄妹の関係は一気に冷え込みました。

【第3章】司法書士に相談したきっかけ

Aさんは困り果て、友人に相談。そこで紹介されたのが、熊本市中央区の司法書士事務所でした。

弁護士に頼むと裁判沙汰になりそうだけど、司法書士ならもう少し穏便に解決できるかも

初回面談で整理されたこと

司法書士はまず以下を整理しました。

  • 相続財産の内容と評価
  • 相続人の人数と関係性
  • それぞれの主張と希望
  • 現状の課題(協議の不成立・登記未了・空き家化の懸念)

相続登記の義務化が2024年4月から始まっています。放置していると過料の対象にもなりかねません。話し合いができない場合は、第三者の立場から各相続人に連絡を取り、調整していく方法があります

【第4章】司法書士による遺産分割の調整と調整の裏側

司法書士は、他の相続人であるBさん、Cさんに手紙と電話で連絡を取りました。特に、遠方のBさんとはオンライン面談も実施。事実確認と感情面のケアを同時に行いながら、以下のような調整案を作成しました。

遺産分割案(司法書士の提案)

  • 実家はAさんが単独で相続
  • 代償金としてAさんがBさんとCさんに各150万円ずつ支払う
  • 農地は共有名義にせず売却し、売却益を3人で分配
  • 預貯金は一部を代償金に充当

感情的対立を緩和する工夫

  • Aさんには「感謝の気持ちを手紙で伝える」ことを提案
  • Bさんには「遠方からでも兄としての誠意を感じた」と納得できるよう調整
  • Cさんには「無理な主張をしない代わりに、将来的に農地の名義協力を求めない」と説明

【第5章】無事に相続登記と支払い完了、家族関係も改善

最終的に、3人の相続人全員が調整案に合意。司法書士が作成した遺産分割協議書に署名・押印し、登記手続きも司法書士が代理で実施。代償金も、Aさんが住宅ローンの一部を借入れして支払いを完了しました。

Aさんの感想

最初は専門家に相談するのが面倒だと思っていました。でも、司法書士さんが入ってくれたから、話がここまでまとまりました。本当に感謝しかありません

Bさんの感想(メールより)

あのまま兄妹で話していたら、確実に絶縁状態になっていたと思います。司法書士さんの冷静な対応に救われました

【第6章】熊本における相続トラブルの傾向と注意点

  • 不動産中心の相続が多い:現金よりも土地建物が財産の多くを占める
  • 遺言書の作成率が低い:相続人間の話し合いに依存しやすい
  • 農地や山林の扱いに困る:価値が不明確で共有名義も多い
  • 感情的な対立が起こりやすい:介護・親との関係性が争点になる

【第7章】司法書士に相続相談するメリットとは?

  • 相続登記に関する専門知識と手続き代行
  • 遺産分割協議書の作成
  • 相続人間の調整支援
  • 家族の気持ちに寄り添った提案
  • 将来的なトラブル防止のアドバイス

弁護士のような「争いの代理」ではなく、「争いを防ぐ」ことに重きを置いている点が特徴です。

おわりに|相続で揉めないために、今すぐできること

  • 遺言書の作成(公正証書遺言がおすすめ)
  • 生前の財産整理と贈与
  • 家族間の定期的な話し合い
  • 専門家への早めの相談

熊本にお住まいで、「相続の話をするのが不安」「家族でもめたくない」とお悩みの方は、ぜひ一度、地域に根ざした司法書士にご相談ください。専門家と一緒に考えることで、最善の答えが見つかるはずです。

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