自筆証書遺言の保管制度について
現在、主に使用されている遺言は、自筆証書遺言と公正証書遺言の2つがあります。自筆証書遺言は、遺言者の死亡後、遺言が発見されないなどのリスクがありましたが、令和2年に自筆証書遺言を法務局で保管してくれるサービスが開始したことによってその利便性が向上しました。
今回は、自筆証書遺言の保管制度について、その制度の主要な部分を紹介していきます。
①これまでの不便なところを解消
自筆証書遺言は、前述のように発見されないリスク、相続人らによる改ざんリスク、紛失リスクなどがありました。また、自筆証書遺言は遺言者の死亡後、家庭裁判所の検認手続きが必要でした。
こうしたリスクやわずらわしさを解消するため、保管制度が開始されました。
法務局が遺言を保管してくれるため、上記のリスクを回避でき、また家庭裁判所の検認手続きも不要となります。
そのため、自筆証書遺言の作成を考えている方には、大変有用な方法といえます。
また、保管制度は義務ではなく、任意の制度ですので、今まで通り自宅に保管しておくことも可能です。しかし、自筆証書遺言を作成するなら、法務局の保管制度を利用することを強くお勧めします。
②保管制度を利用する際の注意点
ⅰ遺言者の住所地、本籍地、所有する不動産所在地のいずれかを管轄する法務局に保管を依頼します。
ⅱ遺言者本人が保管法務局に出向き手続きをする必要があります。
ⅲ手数料がかかり、1通3,900円です。
ⅳ法務局の職員は遺言の有効無効を審査してくれません。そのため、保管してもらった遺言が要件を満たしていないと無効な遺言となってしまいます。心配な場合は、専門家のチェックを通した方がよいでしょう。
③その他保管制度の特徴など
ⅰ一度保管してもらった遺言を後日返却(撤回)してもらうこともできます。撤回し、新たな遺言を預けることも可能です。
ⅱ保管してもらっている遺言を確認(閲覧)することができます。どんな内容の遺言を書いたか忘れた場合も、内容を確認できるため安心です。
このように、遺言書の法務局保管制度はこれまでの、自筆証書遺言のデメリットを解消してくれる制度です。遺言書の作成を考えられている方は、ぜひこの制度も検討されてはいかがでしょうか?
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