遺言を作ろうと思ったときに最初にすべきこととは?|熊本の司法書士が徹底解説
遺言を作ろうと思ったときに最初にすべきこと
「遺言を書こうと思うけれど、何から始めればいいの?」
そう感じている方は多いのではないでしょうか。
実は、遺言書を作る前にしっかりとした準備をしておくことで、トラブルのない円満な相続を実現できます。
この記事では、熊本の司法書士として多くの遺言作成をサポートしてきた立場から、「最初にすべきこと」を専門的かつわかりやすく解説します。
1.まず「遺言を書く目的」を明確にしましょう
遺言書を作るときに最初に考えるべきことは、「何のために遺言を書くのか」という目的の整理です。
この部分を曖昧にしたまま進めると、せっかく遺言を書いても、相続人の間で意図が伝わらずトラブルの火種になってしまうことがあります。
遺言の目的は人によってさまざまですが、大きく分けると次の4つの方向性があります。
| 主な目的 | 具体例 | 司法書士からのポイント |
|---|---|---|
| ①相続トラブルを防ぎたい | 兄弟姉妹の仲が悪い、再婚で子が複数の家庭にいるなど | 相続人同士の不満を抑えるために、遺留分にも配慮した内容が必要 |
| ②感謝の気持ちを伝えたい | 介護をしてくれた長男や、面倒を見てくれた孫に少し多く遺したい | 感情を法的に形にするために「付言事項(想いを添える部分)」が有効 |
| ③財産を有効に承継したい | 事業を継ぐ長男に会社株式を集中させたい、自宅を守りたい | 会社経営者・地主の方には「遺言+家族信託」の併用を検討すべき |
| ④相続手続きをスムーズにしたい | 相続発生後に家族が困らないように備えたい | 銀行手続き・不動産登記を迅速に進めるための実務的効果が大きい |
熊本では、特に実家の土地や田畑の扱いが目的設定の大きなポイントになります。
たとえば、「農地は誰が管理するのか」「空き家をどう処分するのか」といった問題は、地域的にも非常に多い相談内容です。
これらの問題を明確に整理することが、実は「遺言を書く目的」を定める第一歩なのです。
また、「感謝の気持ちを伝えたい」という目的も軽視できません。
法的効力を持たない「付言事項(ふげんじこう)」を遺言の最後に添えることで、家族に向けての思いや、感謝の言葉を伝えることができます。
たとえば、熊本市中央区在住の70代男性の方は、遺言書に次のように記しました。
「長年、私の面倒を見てくれた長女に心から感謝しています。
この家を託すのは、あなたへの信頼と感謝の気持ちの表れです。
兄弟みんなで仲良く、母の仏壇を守っていってください。」
この一文があることで、単なる財産分配の書面ではなく、家族の絆を再確認する“心の遺言”になります。
司法書士として感じるのは、「目的が明確な遺言ほど、家族に感謝される」ということです。
逆に「誰に何を渡したいか」だけで書き始めると、結果的にバランスを欠き、争いを招くリスクが高まります。
つまり、遺言の第一歩は“書く内容”ではなく、“なぜ書くのか”を明確にすることなのです。
目的を整理する際には、「家族・財産・想い」の3つの観点から考えると良いでしょう。
- 家族: 誰に何をどのように遺したいか(配偶者・子・孫・兄弟など)
- 財産: どんな財産をどれだけ遺すのか(不動産・預金・保険など)
- 想い: どんな意図や価値観を伝えたいか(感謝・公平・事業承継など)
この3つの軸を司法書士と一緒に整理すれば、単なる“形式的な遺言”ではなく、
家族の未来を守るための「戦略的な遺言」に仕上がります。
2.財産を正確に洗い出す(財産目録の作成)
遺言を書く際に、次に欠かせないのが財産の全体像を正確に把握することです。
「うちはたいした財産はないから」と思っていても、実際に調べてみると預金や生命保険、不動産など、意外と多くの項目が出てくるものです。
まずは、すべての財産を「見える化」することから始めましょう。
遺言の内容を決める前に、何をどれだけ持っているかを整理しておくことで、相続人間の公平感を保ち、トラブルを防ぐことができます。
| 分類 | 主な内容 | 確認のポイント |
|---|---|---|
| 不動産 | 自宅、土地、田畑、山林、貸家、駐車場など | 登記事項証明書や固定資産税の納税通知書で確認 |
| 預貯金 | 銀行口座、ゆうちょ、信用金庫など | 通帳・キャッシュカード・ネットバンキング明細を確認 |
| 有価証券 | 株式、投資信託、国債、社債など | 証券会社の残高報告書を確認 |
| 保険・年金 | 生命保険・個人年金など | 保険証券・契約書を確認。受取人も重要 |
| 負債 | 住宅ローン、借入金、保証債務 | 借用書、返済予定表などを確認 |
| 動産 | 車、貴金属、美術品、家財など | 評価が難しい場合は専門家に相談 |
熊本では、不動産(特に農地や空き家)が相続時に大きな問題になることが多いです。
たとえば「誰も使っていない田畑」や「実家が空き家になっている」場合、固定資産税だけが毎年かかり続けるというケースも。
こうした財産を遺言でどう扱うかを考えるには、早い段階で司法書士に相談することが重要です。
財産を整理する際には、次のような一覧表(財産目録)を作ると非常に便利です。
| 分類 | 内容 | 評価額(目安) | 備考 |
|---|---|---|---|
| 不動産 | 熊本市東区帯山〇丁目 〇番地(自宅) | 2,500万円 | 登記名義人:本人 |
| 預貯金 | 肥後銀行 帯山支店 普通1234567 | 600万円 | 生活資金用 |
| 生命保険 | 〇〇生命 保険金額1,000万円 | 1,000万円 | 受取人:配偶者 |
| 負債 | 住宅ローン(〇〇銀行) | 残債500万円 | 完済予定:令和10年 |
こうして可視化することで、「どの財産を誰に遺すのが最も適切か」が明確になります。
特に、財産の偏り(自宅が1人の相続人に集中するなど)を避けるための判断材料にもなります。
財産目録は遺言書に添付することも可能です。
手書きでもExcelでも構いませんが、最新の内容に更新しておくことが大切です。
特に不動産をお持ちの方は、登記事項証明書を取り寄せて「名義」「地番」「地目」を確認しておきましょう。
熊本おびやま司法書士事務所では、初回相談時に「財産整理チェックシート」をお渡しし、
どのように目録を作るかを一緒に整理いたします。
「どこから手をつければいいかわからない」という方も安心してご相談ください。
3.相続人を確定する(家族関係の整理)
遺言書を作成するうえで、次に重要なのが「誰が相続人になるのか」を正確に把握することです。
この確認を怠ると、後に「相続人の一人が抜けていた」「思いもよらぬ人が権利を主張してきた」といったトラブルにつながります。
まずは、法律で定められた「法定相続人」を確認しましょう。
| 順位 | 相続人 | 備考 |
|---|---|---|
| 第1順位 | 子(実子・養子) | 子が死亡している場合、その子(孫)が代襲相続する |
| 第2順位 | 父母・祖父母など直系尊属 | 子がいない場合のみ相続人になる |
| 第3順位 | 兄弟姉妹 | 兄弟が死亡している場合、その子(甥姪)が代襲相続 |
| 常に相続人 | 配偶者 | 上記順位の相続人と同時に相続する |
このように、相続人の範囲は家族構成によって変わります。
たとえば熊本では「子どもが県外に出ており、地元には兄弟だけが残っている」というケースが多く、
「兄弟が相続人になるのか?」という質問をよく受けます。
答えは「子がいなければ兄弟も相続人になる」です。
つまり、親や子の有無で相続の構図が大きく変わるのです。
では、どうやって相続人を確定するのか。
答えは戸籍謄本の収集・確認です。
被相続人(遺言を書く本人)の出生から現在までのすべての戸籍を確認し、
子どもや兄弟姉妹、すでに亡くなった方、再婚・養子縁組などを含め、家族関係を正確に把握します。
令和6年の法律改正により、本籍地以外でも戸籍証明書の取得ができるようになりました。これは、ご自身の分のみでなく、配偶者や親、子などの分も取得可能です。なお、取得できる戸籍の範囲には制限があるため、詳細はお近くの市区町村役場にてお尋ねください。
また注意したいのが、代襲相続(だいしゅうそうぞく)です。
たとえば、長男が先に亡くなっており、その子(孫)が生きている場合、
孫が長男の代わりに相続人となります。
兄弟姉妹にも同様の代襲があり、甥や姪が相続人になるケースも少なくありません。
こうした複雑な家族関係では、「誰を遺言に登場させるか」を誤ると無効になるおそれがあります。
司法書士が戸籍を確認し、相続関係説明図(家系図のような図)を作成することで、
相続人の範囲を正確に整理することができます。
戸籍の確認は、単なる形式確認ではなく、遺言の法的有効性を支える土台です。
特に再婚や養子縁組、認知された子などがいる場合は、専門家のチェックが必須です。
熊本おびやま司法書士事務所では、遺言作成前に相続人確定調査を実施し、
必要な戸籍の取り寄せから家系図作成までを代行しています。
「自分の家族関係を整理したい」「どこまでが相続人なのか分からない」
という方は、まずはお気軽にご相談ください。
4.遺言の形式を選ぶ(自筆・公正証書・秘密証書)
遺言の準備が整ったら、次に決めるべきは「どの方式で遺言を作るか」です。
遺言には大きく分けて自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言の3つがあり、
それぞれメリットと注意点が異なります。ご自身の状況に合う形式を選びましょう。
| 方式 | 特徴 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 自筆証書遺言 | 自分で全文を手書きする方式。法務局保管制度利用可。 | 費用がかからず簡易。思い立ったときに作成できる。 | 形式不備で無効リスク。保管方法によって発見されない危険。 |
| 公正証書遺言 | 公証役場で公証人が作成。原本が役場に保管。 | 法律的に最も安全。紛失・偽造のリスクなし。 | 手数料が必要。準備資料が多い。 |
| 秘密証書遺言 | 内容を秘密にでき、公証人に存在のみ証明してもらう方式。 | 内容を誰にも見られない。 | 形式が複雑で実務上ほぼ使われない。 |
もっとも一般的で、かつ特に熊本では「公正証書遺言」が圧倒的に選ばれています。
理由は、無効リスクが低く、相続人がスムーズに手続きできるからです。
自筆証書遺言については、法務局で保管できる制度も開始されましたが、
「財産の分け方が複雑」「不動産が複数」「相続人間に温度差がある」など、
リスクが少しでもある場合は、専門家として公正証書遺言一択と考えています。
熊本県には熊本市・八代市・天草市に公証役場があります。
当事務所では日程調整・必要書類準備・事前打合せまでサポートします。
公正証書遺言に必要な資料の例:
- 本人確認書類
- 戸籍謄本・住民票
- 固定資産評価証明書(不動産がある場合)
- 財産一覧表
- 遺言内容のメモ(希望内容草案)
さらに、公正証書遺言には証人2名が必要です。
司法書士が立ち合い証人となることで、家族に知られずに作成することも可能です。
遺言は「書けば安心」ではなく、「正しく執行できる状態」にすることが重要です。
実務では、遺言執行者(財産分配を実行する人)の指名を入れることが推奨されます。
当事務所では、遺言内容の検討から公証役場手続き・証人立会まで一貫サポート。
熊本で「初めての遺言作成」をスムーズに進めたい方に最適です。
5.専門家に相談するタイミング
「遺言は自分で書ける」と思っている方も多いですが、実際には専門家に相談すべきタイミングがあります。
法的な知識がないまま作成すると、形式の不備や内容の不公平さが原因で無効・争いのもとになることも少なくありません。
特に次のようなケースでは、司法書士などの専門家への早めの相談を強くおすすめします。
- 相続人の一部が音信不通・行方不明である
- 不動産や預金など財産が複数の場所にある
- 再婚や養子縁組など家族関係が複雑
- 自宅を介護してくれた子どもに遺したい
- 特定の子に多く財産を渡したいがトラブルを避けたい
- 会社経営者・地主など財産が高額・多様
これらのケースでは、単に「書く」だけでは済まず、法的な調整・遺留分の計算・将来の紛争予防まで考慮する必要があります。
司法書士は、遺言の文言だけでなく、登記や相続実務まで見据えた内容設計を行えるのが強みです。
また、司法書士への相談タイミングは「書き始める前」が理想です。
相談の初期段階で家族関係・財産状況を整理すれば、後から書き直す手間や無効リスクを減らせます。
熊本おびやま司法書士事務所でも、初回相談の際に「遺言目的整理シート」を活用し、
ご家族の事情に沿った最適な方式(自筆・公正証書)をご提案しています。
熊本市東区の70代男性Bさんは、自分で遺言を書いたものの、
相続人の一人(前妻の子)が漏れていたため、相続発生後に無効となりました。
その後、司法書士に依頼し、公正証書遺言を作り直したことで、
不動産登記も円滑に進み、家族間のトラブルを回避できました。
また、司法書士は公証人との打ち合わせや証人手配も代行できます。
「平日に公証役場へ行けない」「家族に知られたくない」といった事情にも柔軟に対応可能です。
さらに、作成後の保管方法や、将来の相続発生時における執行サポートまで一貫してサポートします。
✅ 相続トラブルを未然に防ぐ構成案を提案
✅ 遺留分や登記の専門知識を踏まえた内容設計
✅ 公正証書作成の立ち会い・証人手配も代行
✅ 将来の遺言執行も依頼可能
「そろそろ遺言を考えたい」「まだ迷っているけれど相談してみたい」――
そう思った今が、最も良いタイミングです。
初回相談は無料ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。
6.まとめ|「最初の一歩」を踏み出す勇気が大切
遺言書の作成は、「死の準備」ではなく、家族への最後の贈り物です。
遺言があるだけで、残された家族が揉めることなく、スムーズに相続手続きを進められます。
そして何より、あなたの「想い」を正確に伝えることができます。
多くの方が「まだ早い」「縁起でもない」と感じて後回しにしますが、
実際にご相談を受けていると、体が元気なうちに準備しておいて本当に良かったと話される方がほとんどです。
判断力があるうちにこそ、自分の意思をきちんと形にしておくことが、家族への思いやりにつながります。
たとえば熊本市東区にお住まいの80代女性Cさんは、
「相続の話を出すと家族が嫌がるから」と何年も先延ばしにしていました。
しかし、いざ脳梗塞で入院した際に不安を感じ、退院後に司法書士と一緒に遺言を作成。
その結果、相続開始後はすべての手続きが円満に進み、「これで家族に迷惑をかけずに済んだ」と安心されたそうです。
遺言を作ることは、決して難しいことではありません。
大切なのは、「まず一歩を踏み出すこと」。
財産の整理から目的の確認まで、司法書士が寄り添いながらサポートします。
あなたが思っている以上に、専門家に相談することで不安がスッと軽くなるはずです。
✅ 財産と相続人の整理
✅ 公正証書遺言の作成支援(証人手配・公証人調整)
✅ 自筆証書遺言のチェック・保管制度利用サポート
✅ 相続発生後の遺言執行・登記・銀行手続きまで一貫対応
熊本おびやま司法書士事務所では、初回相談は無料です。
「自分に遺言が必要なのか」「どんな内容にすべきか」など、どんな小さな疑問でも構いません。
司法書士があなたの想いと状況を丁寧に伺い、最適な形をご提案いたします。
💡遺言は、家族を守る“未来への手紙”です。
「そのうち」ではなく、「今」だからこそ始められる準備があります。
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当事務所では、熊本県内の相続案件を多数取り扱っており、スピーディかつ丁寧な対応を心がけています。
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